相良油田の里公園 [産業遺産]
静岡県牧之原市菅ケ谷:相良油田は明治5年(1872)、徳川家旗本村上正局が
海老江で石油を発見したことから始まった太平洋岸で唯一の産油地で、翌年の
明治6年に日本の石油王[石坂周造]により菅ケ谷で開坑し採油が始まりました。
当初は手掘りによる掘削でしたが、この年の10月には米国製の綱堀機により
日本で最初の機械堀りを開始、最盛期の明治17年頃(1884)には年間に
721kl(ドラム缶で約3600本)が産出され、明治から昭和にかけての
約80年間採油されていましたが、昭和30年頃に全ての事業を閉じました。
相良油田の原油は、ガソリンや灯油を多く含んだトップクラスの原油です。
文豪に愛された宿 [産業遺産]
愛知県蒲郡市竹島町:[蒲郡クラシックホテル]は明治45年(1912年)、
名古屋の織物商[滝 信四郎]が常盤館を開業、昭和9年(1934年)に
蒲郡ホテルとして、竹島を見下ろす高台に完成した天守閣風のホテルです。
創業から100年以上の歴史を誇る、近代化産業遺産認定の由緒あるホテルです。
開業時の[常磐館]には、菊池寛・川端康成・志賀直哉・三島由紀夫といった
錚々たる文豪達が宿泊、蒲郡の海や素朴な竹島の姿を眺めながら執筆した事でしょう。
文人達に愛された[常磐館]は、建物の老朽化と世相の変化に対応する事が
出来なくなり廃業、残念なことに昭和57年に取り壊しとなりました。
市民の[常磐館]への強い想いにより、常磐館とほぼ同時期に建てられた
市内中央本町にあった[岡本医院]の建物が模倣復元され、常磐文化継承の
ため[海辺の文学記念館]として、蒲郡ゆかりの文学作品を紹介しています。