静岡県中部、大井川の河口に位置する榛原郡吉田町、弘長2年(1262年)に

創建された臨済宗妙心寺派の寺院、能満寺がある。

境内には長徳元年(995年)頃、安倍晴明が中国から持ち帰り植えたとされる

樹齢1000年以上、根元の周囲4.2m高さ6mで数本の太枝に分かれ

小枝と合わせると40枝余りの蘇鉄がある。

天然記念物で日本三代蘇鉄の一つとして数えられている。

       

能満寺に隣接する[小山城]は牧之原台地の東南端にあり

永禄11年(1568年)末、武田氏により山崎の砦が築かれていた。

一度家康の配下に入るが、元亀2年(1571年)2月武田方はこれを

攻略し拡張、名を小山城と改め、大熊備前の守長秀を城主とした。

後11年間武田方はここを拠点とし中西遠へ進出するも

天正10年(1582年)徳川方との合戦に敗北、武田方は城に

火を放ち甲州へ敗走、その後廃城となる。

1987年(昭和62年)に物見台があったとされる三之丸後に犬山城を

モデルとした模擬天守[展望台小山城]が設けられたが

過去に小山城に天守閣が存在した事実はない。