静岡県袋井市村松にある医王山薬王院油山寺(いおうさん やくおういん ゆさんじ)は
大宝元年(701)行基菩薩の開山された真言密教の古利である。
境内に在る[るりの滝]が昔、油の滝であったところから
油山寺と名付けられた。
天平勝宝元年(749)46代孝謙天皇は当山で眼病を全快され頼願所と定め
鎌倉時代には、源頼朝公が三重の塔、また室町時代には
今川義元公が厨子宮殿を建立する。
薬師本堂は建久元年(1180)源頼朝公の寄進されたものであるが
慶長16年当国城主、久野丹波完成入道により再建された。
その後再三の修理を経て、昭和44年解体復元された。
三重の塔は長命寺(滋賀県)と宝積寺(京都府)の三重の塔
と共に桃山時代の3名塔の一つに数えられている。
油山寺茶祖 栄西禅師は建久2年(1191)中国より帰朝され臨済禅と
抹茶法を日本に伝え広めた茶の元祖として仰がれる。