愛知県新城市の鳳来寺山は標高695m、1500万年前の火山の名残で

流紋岩・松脂岩・デイサイト等から形成されています。

5月には、仏法僧の鳴き声で全国に知られる、コノハズクが飛来し、木の上では

モリアオガエルが産卵を始め、全山が岩石や動植物の貴重な宝庫となっています。

      

芭蕉 来鳳300年

こがらしに   岩吹(いわふ)きとがる    杉間(すぎま)かな

夜着(よぎ)ひとつ 祈出(いのりいだ)して 旅寝(たびね)かな

 芭蕉は、元禄4年(1691)10月23日、新城在住の太田白雪に

案内され、鳳来寺山に登山しました。

こがらしの句は、芭蕉がセイバシという所を通った時、即座に詠ぜられた。

夜着の句は、仁王門に差し掛かった頃、持病が激しく痛みだし

やむなく下山、生憎この日は、鳳来寺の秋祭りでどの宿も満員、

無理に頼んで泊めてもらった宿屋の部屋は、風が吹き抜け布団も粗末、

弟子が夜道を帆走し、寺から夜着を1枚借用した時の句です。

 

鳳来寺は鳳来寺山の山頂付近にある、真言宗 五智教団の寺院で

大宝2年(702)に利修仙人が開山したと伝えられている古刹で、

参道の石段が1425段あり、うっそうとした杉木立に囲まれた仁王門は、

3代将軍徳川家光により建立され、国の重要文化財になっています。

      

      

          

鳳来寺表参道沿いの 旧門谷小学校は、廃校から10数年経過し

現在は[東海市山の家]として、綺麗に整備されています。

こんような素晴らしい環境で育った子供達を羨ましく思いました。